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​風景の中に、悠然と




story7 「point of accent」Before

澄み渡る青空のもと、

東京スカイツリーが凛と佇むロケーションに位置した事務所兼住宅が、今回の物語の舞台です。

年の暮れ。

とあるご施主さまから、

「約20年ぶりに壁外塗装をしたい」との

ご相談をいただきました。




さっそく現地調査に向かうと、白い外壁に、こげ茶色の窓手すりが掛けられた建物が。長い年月を経たこの建物は大きなひび割れがいくつもあるため、そろそろ綺麗にしたいとのお話でした。​

当初ご施主さまの奥様は、「デザインなんていいわよ、塗ってあればなんでも」とおっしゃっていましたが、目の前に世界一のスカイツリーがそびえ立つこのロケーション。ただ一辺倒に塗るだけではもったいない。



「少しの工夫で、綺麗なだけではない、カッコいい塗装ができる!」そう思い、いくつかのデザインパターンをご提案させていただきました。明るく華やかなものから、シンプルなものまで……。

いくつかの候補の中から、シンプルでいて茶色いワンポイントが目を惹くパターンを見て、「これ良いわね!」と奥様。

早速デザインが決定いたしました。

塗装のための準備やデザインが年内に決まり、年が明けたらいざ施工開始です。

既に何度か改修工事をされている建物で、数回目の塗替えは難しいものになります。

​まず足場を掛け、水洗いをしてから塗装が始まりました。

まず、何ヵ所にもなる大きなひび割れ(クラック)部分に取り掛かります。

ひびの隙間にシールを充填して、直したところが出来るだけ解らない様にパターンをつくり、違和感のないように周りの壁と柄を合わせていきます。そして正面には、ポイントとなる濃い茶色を塗装していきました。

正面の窓手すりは取り外して弊社の工場に持ち帰り、正面と同様に濃い茶色に塗装しました。同系色ではありますが、手すりは黒に近い焦茶色になっています。実はこの手すり、思ったよりも重量があって取り外しに苦労しましたが、綺麗に塗って取り付けなおすと、全体のツートンカラーに対して良いアクセントになりました。

それから作業は順調に進み、1月後半には足場をばらし、無事にご施主さまに引き渡すことができました。塗替えは難しい面もありましたが、「良いわね」とおっしゃっていただいたデザインパターンを彩ることができ、とても嬉しく思います。


Story7「point of accent」After

約20年のあいだ白一色だった建物は、ほんのりと赤みの薫る上品なベージュ色に、どことなく京町屋を思わせる重厚な濃い茶色のラインがアクセントとなって、以前とは一味違うシックで落ち着いた建物へと生まれ変わりました。新しくなった御宅は、スカイツリーのお膝下である下町の風景の中に、悠然と佇んでいます。

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